音程について③
ご無沙汰しております。
2月は仕事も少なく、割とのんびり過でしております。
さて、前回からかなり間が空いてしまいましたが、音程について続きを書いていきます。
前回、以下の2通りの原因になると書きました。
1.正しい音程はわかるが、身体がついていってない(左手が正しい幅で抑えられてないor右手が安定していない)
2.そもそも、音程がわからない
ここまで分かったらあとはレッスン受けて下さいと言いたいのですが…(笑)
2つの原因共にやることは同じです。
【ゆっくりと音階を練習する】
です。
ちなみに、これ以外上達するすべはありません。
何も考えずに練習したところで何にもならないので、どんなことを意識して練習したら良いか原因別に書いていきたいと思います。
前提として、ビブラートはかけてはいけません。
まず、1の原因からいきます。
※右手が不安定な場合
まず、60のテンポで4つの音を均等に弾けることを目標にしましょう。
弓の圧カ・場所・速度をコントロールします。
このうち場所は指板の端と駒のまん中、速度は1拍で弓の1/4を進むよう一定にします。
圧力を弓の元から先で変化させて、常に同じ音量になる様にします。
※左手が不安定な場合
同じく60のテンポでやります。弓は1拍ずつ返しましょう。
まず、2つの音を2回ずつ弾きます。ド→レ、ド→レの様に弾きます。
これをとりあえず1オクターヴやりましょう。ド→レ→ド→レ、レ→ミ→レ→ミ、という様に、地道にやります。
この時、指と指の間隔を意識しながら練習しましょう。頭で指の間隔を覚えるつもりでやって下さい。
2つの音が2回とも正しく弾けなければ、できるまで先へ進みません。その位、ストイックにやって下さい。
そこができたら、今度は2回ずつ弾いていた音を1回ずつ、通常の音階で弾きます。
1オクターヴ連続で正しくできるまで練習します。
あとは、個人のレベルに合わせ2ー4オクターヴに引き伸ばして同じ事をします。
そこまでできたらテンポを1メモリずつ上げ、スラーをつけて練習します。
2.そもそも音程が分かっていない場合
練習法は「※左手が不安定な場合」と同じですが、チューナー(平均律)を併用します。
2音間の音程を、指の間隔と音の間隔を同時に頭で覚えます。弾くこと以外にもハミングで良いので歌うこともすると尚良いです。
そして、同じ練習をアルペジオでもやります。この時、長短3度、完全4度、長短6度を覚えます。
音程が分かっていない方は特に気をつけてほしいのですが、体で覚えないで下さい。必ず頭で覚えます。この練習で、自分の音程感をつけていくのだと思って下さい。
自分の中にある真っ白な音程というものさしに1つずつ目盛りを作っていく様なものです。とても時間と労カの必要な事ですが、コツコツとやってみて下さい。結果は必ず出ます。
どの楽器でも同じですが、音程はオ能ではありません。技術です。
言ってしまえば、自転車に乗ることと同じです。
ですから、苦手に思っていても諦めないで下さい。必ずできます!
いかがでしたでしょうか。
さらに具体的な事はレッスンでしかお伝えできませんので、興味を持たれた方はぜひレッスンを受けてみて下さいね。
次回からは違う話題で書こうと思います。
何かご意見、ご質問等あれば、コメントかホームページのお問い合わせよりご練絡下さい。
それでは、また。
演奏会無事終了しました。
こんばんは。
先日、100万人のクラシックライブとサントリーホールでの本番、無事終了しました。
100万人のクラシックライブでは、たくさんの方にご来場いただきありがとうございました。
まさかの予約定員を超えるご予約を頂きまして、ご来場いただけなかった方もいらしたそうで…
お問いあわせして頂いたのにご来場頂けなかった方、申し訳ございません。
懲りずにまた次回ご予約頂けたらと思います。
こちらが演奏会の様子です。
最近はコンタクトを切らしており、メガネでの出演が多くなっております。
眼科でなかなか矯正がうまくいかず、この際メガネのままでいこうかなと思っています。
そして、今日は久々に秋葉原へ遊びに行きまして、こんな物を買ってしまいました。
タブレットパソコンです。
100万人のクラシックライブのような演奏会で使う曲の編曲や、指導をする時のオリジナルの練習曲の製作など、楽譜を作るのに重宝します。
バッテリーも持つので、新幹線の中でも使いやすそうです。
2月以降の出演情報も間もなく発表いたします。
残念ながら2月はクローズの本番しかないのですが…
3月以降、また会場でお会いできればと思います。
それでは、また。
音程について②
こんばんは。
前回の投稿で、音程とは「座標」ではなく「距離」であることを書きました。
今回はそれが分かったところでどうすれば良いのか、という事を書こうかと思います。
ちなみに、今回書くことはすべて単音での前後関係における問題です。重音はまた違ってきますので、いずれ書きたいと思っています。
具体的な話の前に「ヴァイオリンを弾く」という行動を理解する必要があります。
皆さんはそこに何が起きているかご存知でしょうか?
1.出したい音のイメージをします。
2.イメージを実現させるための体の動きをイメージします。
3.動きのイメージを実現させるため、脳から体へ指令を出します。
4.脳からの指令の元、体が動きます。
5.体が動くことで左手では音程が作られ、右手で音が作られます。
(左手の指が置かれ、弓が動きます。)
6.実際に音として響きます。
7.自分で出した音を聴きます。
ざっとこんな感じでしょうか。脳内におけるイメージの割合が皆さんの思っているより多いのではないでしょうか?
我々が演奏しているとき、仮に完璧に演奏しているとすると(あり得ませんが、仮にです)、1と7が完全に一致していることになります。
自分のイメージした音を完璧に引き出している状態です。
ですが、実際は微妙に誤差が出続けるため、2~5の段階でそれぞれ調整をしながら弾いています。
音程の問題に戻ります。
「音程が悪い」という現象の原因はどこにあるでしょう?
1~5に原因がある場合、音階練習で解決できます。
これについては次回書こうと思います。
6に原因がある場合。その原因は職人さんが解決できます。
楽器の状態により正しい幅で抑えても音程が定まらないことがあります。楽器に不備がある場合、調整してもらうだけで解決できます。
7に原因がある場合。
これは、レッスンをしていても多い事例です。
「自分の音を聴けていない」状態です。
1と関連する問題なのですが…頭でイメージをする時、自分の頭の中でCDを再生している状態になっていることがあります。そして、それに酔ってしまっているのです。ちょっと言い方が悪いですが、聴けていないというのはそういう事です。
そうすると、自分で出した音を聴いているようで実は「脳内で再生した音を聴いて(自分が出している音だと勘違いして)いる」のです。
つまり、錯覚しているわけですね。
錯覚に陥っていると、
「一人だと弾けるのに、誰かと一緒だと弾けない(合わない)」
「録音するとまるで音程が違く聞こえる」
「思っていた通りに(自分が聴いていると思っている通りに)音が出ていない・撮れていない」
という状態になっていると思います。
ちなみに、本番直後に録音を聴いていてもなお錯覚しながら聴いていることがあります。
僕の学生時代がそうでした。「自分サイコーにできてる、でも成績に反映されないなぁ。」みたいな感じでした。
この状態だと脳のイメージと現実にかなりのギャップが生まれています。まず、それを少なくしていくことが大切です。
どうしたら良いか…というと
「自分の現実を受け入れること。」
これがスタートラインです。
本番(録音)の次の日、または3日後に改めて演奏を聴いてみてください。あれ?と思ったらチャンスです。
その後はまず、スケール(音階)を弾きましょう。そして録音をします。
1オクターブで結構です。チューナーは使ってはいけません。
録音を聴いて、自分で採点します。
どこが高いか、どこが低いか…
もう一度弾きます。もちろん、録音をします。
この作業を繰り返します。
この段階で、2つのタイプに分かれると思います。
1.正しい音程はわかるが、身体がついていってない(左手が正しい幅で抑えられてないor右手が安定していない)
2.そもそも、音程がわからない
ちなみに、僕は2.でした。気づいたときは大学院の1年生。進学して2か月目のことでした。
その後どうしたかというと…
レッスンは半年ほど音階のみ。小野アンナ音階教本をやり直しました。
本気で音程とは何か、ヴァイオリンを弾くとはどんなことなのかを考えながらの半年でした。
ここに気づかせてくれた先生に出会えたのは、僕の人生の大きな転機でした。良い先生というのは、自分の課題に自分で気付けさせてくれる先生だと思います。
僕も弟子・生徒にとってそんな先生でありたいと常々思っています。
話が逸れました。
でも、今回はここまでです。
ようやく、ヴァイオリンを弾くこと1~5の原因と合流することができました。
錯覚から抜け出した方、音程のイメージが無い方、思うように身体が動かない方、どの方々も以下の2つのどちらかです。
1.正しい音程はわかるが、身体がついていってない(左手が正しい幅で抑えられてないor右手が安定していない)
2.そもそも、音程がわからない
次回は、この2つの原因をどのように解決していくか、いよいよ具体的な練習方法を交えてお話ししていきます。
それでは、また。
音程について①
こんばんは。
こちらでは、音程について書いていこうと思います。
大多数の人が悩むことの1つに、音程があると思います。
ヴァイオリンはフレットがないため、自分で音程を作らなければならず、苦労が絶えません。おそらく、一生の課題の一つです。
僕も例外ではなく…というか、壊滅的に悪い為かなり苦労しています。
大学院に入学して3回目くらいのレッスンの時
「音程って何?」
と先生に聞かれ、答えられませんでした。
「それが分かってないとレッスンにならないよ」
と言われ、苦悩すること一週間…
音程とは…「音と音の距離」なんです。
よく勘違いしがちなのは、「座標」だと思う事。
演奏中に調弦が絶えず変化するヴァイオリン族にとって、「座標」はあまり意味がないんですね。
「ここを押さえればこの音程が出る」ということは無いのです。
なぜなら、弦が伸び縮みしているからです。
「音と音の距離」=「指の幅」なんです。
さて、ここまでご理解頂いたところで、ピンときた方は直ぐに効果が出ます。
不安定だった音程が安定してくると思います。
効果が出るには、やはり音階練習が一番です。
音階をやる、という事は、自分で「音と音の距離」=「指の幅」を確認・矯正していくという事だからです。
今日はこの辺にして、また追記していきたいと思います。
それでは
オーケストラって、エキストラって何?
皆さんこんばんは。
今日は僕の仕事の核となる、オーケストラの事について書こうと思います。
オーケストラは楽しいです。
いろんな音が集まってきて、一緒に音楽を作ります。
みんなで揃ってバン!と音が出たときは、演奏している方もとても気持ち良いものです。
料理で例えるなら懐石料理でしょうか…
オーケストラの元々の語源は古代ギリシャのコロシアムにある、舞台と客席の間にある半円の部分の事を指していました。そこでは音楽があり、舞があり、今でいうオーケストラピットの様な場所でした。
そこで演奏していたから、そのままオーケストラという名前が付いたんですね。
日本では明治に入って宮内庁が小さなオーケストラを始めて昭和元年に現在のNHK交響楽団が発足、第2次大戦後には特に東京に集中して楽団が増えていったそうです。
オーケストラの規模によって名前が変わり、室内管弦楽団<管弦楽団<交響楽団 のようになります。
オーケストラの規模によってレベルが変わるわけではなく、その楽団の方向性や取り上げる作品・音楽監督の意向などもあります。
ですので、途中で名前の変わった楽団もあります。
最近ではニューフィルハーモニー千葉さんが千葉交響楽団と名称変更したことが記憶に新しいですね。
さて、各オーケストラでは正規団員さん以外のメンバーを加えて演奏することがあります。その人達の事をエキストラと言います。通称トラ。
団員さんもそれぞれが一人の音楽家として活動してらっしゃるため、どうしても演奏会に出演できないことがあります。
そんな時に、エキストラが呼ばれるわけです。
また、総メンバー数に対して大きな人数が必要な演奏会の時にも呼ばれます。
当然、呼ばれたメンバーはその楽団の名前を背負って演奏したり、周りのスタッフと接するわけですから責任重大です。演奏水準はもちろん、挨拶からゴミの処理まできちんとできなければなりません。
当たり前のことが当たり前にできる、という事が大切になってくるわけですね。
僕はいくつかの楽団さんに呼んで頂いておりますが、色々な方と接する事ができ、様々な音楽を共にすることができるこの仕事によって非常に充実した毎日を過ごさせて頂いております。
普段の仕事の様子などはなかなかお伝えできないのですが、できる範囲でお伝えできたらと思っております。そうご期待。
それでは、また。
1月出演情報
1月の出演情報です。
1/8 プロオケ エキストラ出演 クローズコンサート
1/20 100万人のクラシックライブ
1/21 クローズコンサート
1/23 プロオケ エキストラ出演
好評発売中のCDの演奏会にもエキストラ出演しております。
1/28 クローズコンサート
1/29 クローズコンサート
*クローズコンサートはその性質上、詳細をお知らせすることができません。ご承知おきください。